札束無情

リチャード・フラシャー監督『札束無情』(50年)、原題は「Armored Car Robbery」なので直訳するに「装甲車強盗」くらいでしょうが、作品内容からするとほとんどアイロニーあるいはユーモア(受け手の寛容度に因る)。
なので邦題をつけた方のセンスが秀逸・絶妙です。


綿密に練られたはずの計画に実は結構ヌケがあった→犯行グループ内に死者が出る→仲間割れ、
あるいは妻には別の男がいたという図式など、私が最近観た中でも『突破口!』やメルヴィル作品の参照項と思われる作品でした。
そんなネタ帖みたいな作品(他にも源流はあるだろうけど)を68分に収めている手腕が小気味良し、でもそんな小気味良しに収まらないのがフライシャー。