ローラーガールズ・ダイアリー

TOHOシネマズシャンテ2 15:50 約100名


また日記をサボッてしまいました。このひと月色んなことがあったりなかったりしたのですが、まずは元気の出る作品から再開。


ドリュー・バリモア監督『ローラーガールズ・ダイアリー』。
片田舎に生活する少女は、母親の期待を背負わされ閉塞感を感じていたのだが、不意に出逢ったローラーゲームというスポーツに自分の進むべき道を見出してゆく…。
あらすじを書くとまあ良くあるストーリーなんですが、これが何とも痛快に仕上がっています。
ホントに十代にしか見えない主演のエレン・ペイジの魅力と頑張りがまず大きい。
ドリュー・バリモアも役者としてオバチャンを天晴れに演じているばかりでなく、監督としてスコリモフスキ(『早春』)をリスペクトしていることが判る達者ぶり。

若者にこそ見られるべきこの作品が、日比谷・六本木というオサレな街だけでなく、渋谷、新宿、池袋といった雑多な繁華街に拡大ロードショーされるよう念じます。

また西山洋市トーク第4話『戦国群盗傳』もUPされました。
http://www.laputa-jp.com/laputa/program/nishiyama_talk/talk4.html
コチラもよろしく!

ジョン・フォード Life Achievement Award

寄贈ビデオ


1970年アメリカ映画協会によるジョン・フォードへの授与式を収めたもの。
前日観た関係者へのインタビューはこの式のためと推察される。


総合司会チャールトン・ヘストン、進行役がダニー・ケイ、スピーチを行うのがジョン・ウェインジェームズ・スチュアートジャック・レモンモーリン・オハラなど。
日本語字幕がないので私の英会話能力ではユーモアに富んだスピーチを十全に理解することは出来なかったが、
何と言ってもジョン・フォードの登場シーン、アイパッチをきめて車椅子に乗り、ニクソン大統領夫妻を従えてのお姿が圧巻。
ニクソンはプレゼンターも務めておりました。

映画の巨人 ジョン・フォード

NHK衛星第2 21:00


ピーター・ボグダノヴィッチ監督によるジョン・フォードについてのドキュメンタリー作品。
06年の作品だが、同年にインタビューを受けているのは、クリント・イーストウッドスティーヴン・スピルバーグマーティン・スコセッシウォルター・ヒルハリー・ケリーJr、
69年にインタビューされているのが、ジョン・ウェイン、ジェイムズ・スチュワート、ヘンリー・ホンダ、そしてジョン・フォード本人。
モーリン・オハラは92年のインタビュー、そして恋仲にあったとされるキャサリン・ヘップバーンはフォードの死の直前の73年、伝記を書くために訪れた孫が廻した録音テープにて、音声のみながら感動的な存在感を示している。


「映画監督になるにはどうしたらいいか」と訪ねて行ったスピルバーグの前に、ハンカチを噛み、偽物のキスマークをたくさんつけて現れたというフォードのそれに対する回答がまた秀逸であった。

ポケットの中の握り拳

都内某所 14:40 約60名 <お葬式>


イタリア映画祭で最新作『勝利を』が上映されるマルコ・ベロッキオ監督の処女長編『ポケットの中の握り拳』(65年)を観た。
日本語字幕付ながらカット頭で字幕が入らないこと多く、ちょっと不満だがそこは事情ありなので我慢。
盲目の母親に次男三男は癲癇の発作持ち、長男長女は美男美女ながら身勝手と、行く末に大変不安を抱かせる一家を描いた作品。
運転技術に不安を抱かせる2名がそれぞれ、バックでの坂道発進、峠での追い抜きと高度な技を決めてくれるところ、そして食卓および葬儀でマナーの悪さ見本市を展開してくれるところが個人的にはツボでした。


ベロッキオは1939年11月生まれ、ベルナルド・ベルトルッチが40年3月生まれで『殺し』が62年、『革命前夜』が64年。
ベロッキオが61年に12分の短篇、62年に45分の中篇を撮っているので、同世代で同じ頃活動を開始したことになるが、現在に至る活動や姿勢の在り方を比較するとなかなか興味深い。

中国決死行

録画鑑賞


WOWOWで放映されたドン・シーゲル監督『中国決死行』を観た。
太平洋戦争の末期、中国大陸に不時着した日本の海軍大将を情報収集のため、米軍が医療チームを伴って身柄確保に向かうというお話。
1953年の作品で原爆投下の正当性を説いているが、それより熱帯雨林地域での米軍の困難というベトナム戦争、そして直接の敵である日本軍より、ゲリラ軍や民間人も併せて中国人の方が強敵、という期せずしての予告ぶりが恐ろしい。

ノン、あるいは支配の空しい栄光

岩波ホール 14:30 約60名


マノエル・ド・オリヴェイラ監督『ノン、あるいは支配の空しい栄光』(90年)は、すでにDVD販売されているものの、今回『コロンブス 永遠の海』公開に当たってフィルム上映されている作品。
ポルトガルの歴史を振り返るもので、「1200名のエキストラと350頭の馬」を配して15世紀の戦闘を描くシーンもあり、相当予算がかかっていると推測されるが、地形も演出もフラットでオリヴェイラがどこまで本気なのか私には判然としなかった。